バヌアツ市民権委員会に対する汚職疑惑の調査委員会(COI)について

市民権申請は、エージェントを通して市民権委員会へ行う

バヌアツ市民権を申請する場合、申請者は現地の政府指定エージェントを通して、バヌアツ市民権委員会へ申請することが、バヌアツ共和国の法律によって義務付けられています。

市民権委員会の汚職疑惑についての調査委員会が任命された

バヌアツデイリーポストという現地メディアの記事によると、
「バヌアツ市民権委員会内部で汚職があるとの疑惑があり、法務大臣が調査委員会(COI)を任命した」と書かれています。※2023年3月22日の記事

バヌアツ市民権申請は、1名で申請する場合、13万USDを市民権委員会へ支払って申請しますが、政府の法定手数料はこのうち、8万USDとバヌアツの法律で規定されています。

記事によるとどうやらこの8万USDを政府に支払うことなく、市民権委員会が自分の懐に入れてしまったケースがあるようです。
※あくまでも疑惑なので具体的に件数などはわかっていないようです。

約1年経ってもレポートが提出されないため、新しい法務大臣が新しいCOIを任命

バヌアツデイリーポストの2024年2月3日の記事によると、
昨年就任した新しい法務大臣がCOIをいったん解任して、再度新しく任命する予定と書かれています。

旧法務大臣が3か月以内に汚職疑惑についての調査報告書を提出するように求めたものの、期限が経過しても報告書が提出されないままの状態となっているため、いったん解任して再度仕切り直すことにしたそうです。

COI(調査委員会)が任命されるに至った経緯

そもそもなぜ、バヌアツ市民権委員会内部で汚職があることがわかったのでしょうか?

これはどうやら、海外で指名手配を受けている人に対してもバヌアツ市民権が付与されてしまったケースがあり、通常の審査プロセスであれば不許可になるの人に、偽の市民権パスポートが発行されてしまっているため、市民権委員会内部で汚職があるのではないかという疑惑が発生しているようです。

バヌアツ政府としては、市民権申請の手数料収入は、重要な収益源の一つと考えているようです。
そのため、今後も継続的にバヌアツ市民権制度を維持・発展させていくために、国際的な基準からみても適切な審査プロセス、管理体制を確保することを目的としてこのような調査委員会(COI)を任命して監査をきっちりしようとしています。

参考:バヌアツデイリーポスト
https://www.dailypost.vu/

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